施術日誌
お悩み | 首コリ、めまい、腕の疲れ、頭痛、不眠・・・ |
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上半身がボロボロな男性
バイクで配送のお仕事をされている40代の男性が来院されました。
お悩みの内容が大変です。
「頭痛、めまい、肩と首のコリ、息苦しさ、両腕のだるさ、左手の握力低下、両脚の疲労感、不眠、アレルギー性皮膚炎…」と、こういった具合です。
お話を伺うとお仕事での精神的、肉体的ストレスがかなり強いようで、軽い鬱傾向も出ているようです。
「仕事辞めたい気持ちは山々なんですけど、最近は求人も限られてるから仕方なく続けてるんです…」と仰います。
仕事が辛いっていうのは本当に生きるのが辛くなってしまいますよね。
施術
この方は背中を丸めてションボリしているような姿勢のままになっていますから、兎にも角にも背中が伸びやすい環境を作る事が先決です。
こんな場合は胸と腕を徹底的に動けるようにする事からです。
座って頂いて胸を触ってみると鎧のように固く刺激がしっかり届きません。「こりゃぁ準備体操してからですね」と伝えて、胸と腕のストレッチをして頂きました。
再度触診してみると半分くらいには柔らかくなったので、いよいよ本番です。
筋肉を柔らかくするには幾つも方法がありますが、固さも酷い上に範囲が広いので短時間で柔らく動けるようになる「反射」という方法をチョイスします。
しかしこの反射という方法、少々痛みを伴います。
施術姿勢を決めて「大きく息を吸って下さい。」と一杯に息を吸い込んで頂いたところにビシッ!ビシッ!と刺激を入れて行きます。
男性は顔をくしゃくしゃにして「痛ってぇーーー!」とうずくまってしまいます。「あぁ、ごめんなさい少し強かったですね」と一応言いますが本当はどのくらい痛いかは良く知っててやっています。
時間がかかる施術で効果が少ないよりは短時間で楽になった方が良いでしょ?という愛情を込めての事です。
胸と腕の施術が終わった段階で男性が「すぅー…はぁー…」と深呼吸を始めました。
「呼吸が楽になりました! …でも痛かったぁ…」「コレ痛いですよねぇ…でもその分早く楽になりますからね」とお話し、うつ伏せになってもらいます。
背中を診てみるとメンタルが落ちている時特有の脊髄になっています。ここを施術しておくと睡眠の質が上がり脳の疲労回復に繋がるのです。
問題はまだあります。特に目立つのは後頭部の硬さです。首と頭の境目付近がまるで足の裏に触っているような信じられない固さです。
こうなるとめまいや緊張型頭痛に直結してしまいます。
更にバイクの疲れが股関節や足首にガッチリ溜まっています。他にも膀胱の緊張、手の指のこわばり等々、仕事を辞めたくなるのも納得のお疲れ加減です。
全てを手入れする事は諦めて、重要な部分に的を絞ります。
今回はメンタルとめまいと頭痛です。とりあえず心が折れなければ次に繋がりますし、めまいや頭痛は交通事故にもつながりかねないので最優先していきます。
施術後
施術が終わった直後、男性は安堵の表情を浮かべ「はぁ…楽です…」とつぶやき、見ると薄っすら涙を浮かべてます。余程今まで体が辛かったのか施術が痛かったのか。(笑)
色々と大変なお身体なので、少し快適に身体を使えるようになるまでは1週間に1度の通院をお勧めしてこの日はお帰り頂きました。
配送業者は最近特に過酷だと聞いていますが、この身体を見させて頂く事でどれ程のものなのかが良く分かりました。
こんな体になりながらも、いつも正確に配送して頂いて本当にありがとうございます。
感謝、感謝ですね。