施術日誌
お悩み | 混合型頭痛 |
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毎日の混合型頭痛
「混合型頭痛」あまり馴染みのない言葉かと思うので補足説明しておきますね。片頭痛とはズキズキ、ガンガンと脈を打つような痛みが来る頭痛で、緊張型頭痛とはズーーーンと締め付けられるような痛みやドーーーンと重い痛みの頭痛などです。
これらの両方あるのが「混合型頭痛」という訳です。
この方は30代の女性で、ほとんど毎日頭痛があると言います。
ズキズキする痛みが数日続いて、それが無くなってもズーンと締め付けられるような痛みが残り続け、ある時またズキズキが始まるというのを毎日繰り返しているというのです。さぞ辛かったでしょうね。
初回の観察から施術まで
立った姿を一目見て(うあぁ…)と心で思ってしまいました。重い側弯を持っています。側弯とは背骨が大きく横に曲がる身体の事を言いますが、状態が重い場合、肋骨の角度が極端に歪み、片方の背中が盛り上がって来ます。この方もそんなお身体でした。
「これ、頭痛だけじゃないですよね?」と聞くと「肩も首も色々調子が悪いけど、頭痛さえ治れば…」と話します。
この日は顔色もあまり良くありません。何とかしてあげたい…セラピストとしての血が騒ぎます。
まずは股関節
まずは股関節です。不思議に思うかも知れませんが、曲がった背中を力任せに施術しても痛めつけるだけなのです。
まずは土台になっていて自由度の高い股関節が上半身に悪影響を及ぼす事になっていないかを調べます。
触診してみると、やはり強い癖が付いてます。
股関節の施術前に背中の曲がり加減を確認しておきます。
詳細をカルテにメモして、股関節の施術をしていきます。その後もう一度背中を見て上半身の変化をみて行きます。
30%くらい改善してきました。
側弯には治るものと治らないものがありますが、この方の側弯は治らないタイプです。
だからといって放置しておくと傾きが強くなったり下半身に悪い影響が出てくるので施術をして少し軌道を修正するだけでもご本人のお身体は楽になれるのです。
職人技
次に後から歪んだ背骨を特定していきます。
後から歪んだ背骨とは元に戻れる「機能的な歪み」で、先に曲がっていた所は「気質的な歪み」として区別します。
双方にはある特徴があって、それらを見分けながら施術する事で安全に修復できるのです。
へたっぴセラピストは、曲がってる所を全部治そうとして怪我をさせてしまいます。
手前味噌になりますが、これが30年の経験が生み出した職人技です。
一通り施術が終わってみると70%ほど背中が綺麗になりました。
「うん!かなり良いですよ!」と自画自賛します(笑)
頭痛の処方は触れる程度でやめておき初日は終了です。すると…
「あ、今、痛くないです。」とポツリと仰います。
「え?ホントですか?今日は背中の施術をメインにしたかったので頭痛の事はあまりやってないんですけどね。」
「いや、ほんとに痛くないです。」
「そりゃ良かった!って事は背中がかなり災いしてたんですね。」と話し、この日はお帰り頂きました。
2回目から卒業まで
初回で大きめの手応えを感じたので2回目は1週間後に来て頂きました。
1週間のうちに頭痛の無い日が3日あったと言います。それ以上に肩や首など体全体が軽かったようです。
思惑通りの展開になってきました。
ここからは側弯の微調整を加えつつ頭痛の施術を多く取り入れて行きます。
週に1度の通院をして頂き、5回目の施術では1週間全く痛まなかったとの事だったので、2週間に1度のペースにしてみます。
その後、2週空いても痛みが来ないようなので、「うん。一旦卒業で良いでしょう。でも背中の問題は残り続けているので少しでも疲れがたまって来たなぁと感じたらすぐにまた来てくださいね。」とお伝えしてお帰り頂きました。
その後は数か月に1度くらいの施術で現在に至りますが「薬を飲むほどの頭痛はない」との事です。
良かった良かった。
最後にこの方のアンケートです。