施術日誌
お悩み | 混合型頭痛、不整脈、不眠、肩こり |
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ストレスで乱された自律神経異常の怖さ
50代の女性。3年前から急に頭痛が起こり、他にも不眠、不整脈、肩こりなど…急に体中が調子悪くなったという方が来院されました。脳のCTスキャンやMRIはもちろん、心臓のカテーテル検査までやって来たというのですから事態は深刻です。
初回の観察と施術
問診の会話で伝わってくるこの女性の恐怖心が初手を決断させてくれました。(まずは仲良くなってからだなぁ)というのが僕の選択です。
何をするかというと身体の受付窓口が閉まってしまっているので、身を任せてくれる環境作りをしてから本題に入ろうという構成です。
何か強烈なストレスがこの方の体の非常ベルを押してしまったのでしょう。3年前に余程の事件が起こりストレスで極端な自律神経異常を起こしたと考えられます。嫌な記憶を再燃させてはいけないので根掘り葉掘り聞き出す事はせず、ろくに姿勢の観察もしないままベッドに寝て頂きます。
いつもなら、あお向けかうつ伏せスタートなのですが、ここまで緊張状態になると胎児のポーズが最適です。横寝して頂き毛布を掛けて暖かくしてあげます。
その状態で後ろから背中を柔らかく施術していきながら背骨だけでこの身体に何が起こっているのかを読んでいきます。
真っ先に手に感じたのは心臓を圧迫する背骨配列です。この形で起こる不整脈の施術は得意中の得意なのですが、今日は手を当てる程度にしておきます。
次は胃に関係する所も乱れています。更に脳神経疲労のサインです。これは睡眠が十分でない事を表しています。概ね問診の症状は背中で解決できそうです。でも本治療はグッとこらえて撫でる程度でやめておきます。
毛布の効果か背中をさすった効果か少し落ち着いてきたような呼吸に変わります。
仰向けに寝て頂き再び毛布を掛けます。こんな時、たった1枚の毛布が魔法のように人を安心させるのです。
その状態でオヘソに手を当てジーっと温めます。…腸が動き始めます。コロコロコロ…(よぉし、もっと動け)と念じながら更に続けて行きます。ひとしきりお腹が動き出すと、より深い呼吸を始めました。しばらくそのまま寝ていてもらいます。
敏感な足先や手先、首などを一切触らずこの日は終了です。
「はぁい。今日はこれでいいですよぉ。お疲れさまでした。」と促し起き上がって頂きます。
「なぁんか眠くなっちゃった…」と女性がいいます。
「うん。それでいいんです。まずは肩の力が抜けるのを待って改めて次に進みますからね」とお伝えしお帰り頂きます。
2度目の来院
3日後2度目の来院です。「こんにちはぁ」と女性が来ました。「はい、こんにちはぁ。まだ頭、痛かったでしょ?」と先手を取ります。
「はい、痛みは変わってないです。でもあの後すごく良く眠れました。」と仰います。「いいですねー!それが一番大事ですよ。」とお応えして施術に入ります。眠れた事、会話に緊張感が無い事から(ヨシ、今日はイケル)と心に決めてうつ伏せスタートです。
軽く股関節周りのバランスを取ってから背中の問題児3人の機嫌を取りに行きますが、3年間不機嫌だった彼らはチョット頑固です。
そこそこに背中を終わらせていよいよ頭痛の種を摘んで行きます。こちらは意外と素直で手応え充分です。(この頭痛は取れるな)と直感します。
今日はここまでです。「はい、お疲れさまでした。今日は少しバランス変えて行ったので少し疲れるかも知れませんから、早めに寝て下さいね。」とお伝えして2日目は終了です。
3度目の来院
3日後3度目の来院です「先生、少し頭痛が軽くなってきたみたいです。」と仰います。「おーいい調子ですねぇ。では見て行きましょう。」と脈を取ります。「ぉ。不整脈はまだ感じてますか?」と聞くと「あ!無かったかも!」と思い出したように仰います。
もうここまで来たら安心です。3か所の問題児の機嫌も良く、思いのほか効果があったようです。頭痛の種も半分以下になっています。
疲れさせないようささっと施術して3度目も終わりです。
「ハイお疲れさまでした。僕から見た感じですけど、状態はかなり良くなって来てますので1週間あけてみましょう。」と言ってお帰り頂きます。
4度目の来院
1週間後の4度目の来院です。「先生、この1週間、頭痛なかった!」「おーそりゃ良かったぁー!夜も眠れてますか?」「はい、もう睡眠薬は飲んでません」「うん、じゃぁもう大丈夫ですね。念のためあと2回くらい経過をみながら施術して、戻りが無いようなら卒業ですね。」とお伝えして仕上げに入って行きます。
この後も症状が戻って来る事無くすんなり改善した例でしたが、3年前の事件については最後までお話されませんでした。
余程の事があったんでしょうね。
でも元気になって本当に良かったですね!
最後にこの方のアンケートをご紹介します。