手技のかみだいら

施術日誌

膝が痛くて足が付けない

お悩み 左膝痛

膝が痛くて足が付けない

70代の女性が痛々しい歩き方で来院しました。ほとんど左足を地面に付ける事が出来ずに付き添いの方に手を借りて入ってきたのです。
「アララ、これは大変でしたね。」と話しかけると「もうね、伸ばすも曲げるも出来ない。」顔をゆがめて女性は話します。
痛み出したきっかけは特に何もなく2か月くらいの期間で段々と痛みが増してきたというのです。
「もうトシだからダメかなぁ。」「年齢は関係ないですよ。」と僕はいつでも自信を持ってそう言います。
痛みには必ず原因があって、年齢は関係ありません。

観察

少しというか、もう少しポッチャリした体系の方で体重が災いしている部分があるのは否定できませんが、余程のことが無い限り「痩せて下さい」と口に出さないのも僕の方針です。周りの人に散々言われて来たであろう事柄を「またここでも言われるのか」と思わせるのは希望の光を見失う事にもなりかねませんからね。
さてお身体の状況を見ると痛んでいる左膝が内側に寄ってしまっています。痛みが出ているのも膝の内側のようです。
痛む部分に手を当てると広範囲で熱を感じます。

初回の設計から施術まで

膝の軌道を内から外に持っていくのは言うまでもありませんが、腫れあがっている脚の環境をいきなり変えてしまうのは危険が伴います。
ここは一旦痛くない方の脚の環境を充実させて右足でしっかり庇える格好を作り、炎症が止まるのを待って左膝の環境を整えます。
右の股関節を見てみると案の定しっかり体重を乗せて左を庇う体制が出来ていません。つまり痛みのある左膝に今も尚負担をかけ続けているのです。また、図のように左右で対照的な歪み方になっている場合、右足の青矢印方向への調整は間接的に左の赤矢印方向への効果があるので、これらを理由に左を触ることなく改善へと導く事が出来るのです。

施術ではほとんど左脚を触ることなくこの日は終了すると「先生、痛いの左だよ?」と仰いましたが、僕は笑って「分かってますよ。これでいいんですよ。」とお伝えしてお帰り頂きます。

2回目の来院

3日後2回目の来院です。「先生!少し歩けるようになってきた!」「おぉ!いい調子ですね。」とお話を少ししてから施術に入ります。痛んでいるところに手を当ててみると熱の範囲が半分以下になっているのが分かったので右股関節に加えて左の股関節と左足首のバランスを取りこの日は終わります。結局左の膝は施術をしません。
新しいバランスになった両足に少し筋肉が付いてくるのを待つため、1週間後に次の予約を取って頂きました。

3回目の施術

1週間後3回目の施術です。「先生、ゆっくりなら普通に歩けるよ!」と嬉しそうに話してくれます。「うんうん。順調順調。」と笑顔で応えます。
前回までの不十分さを取り除き、左膝周りをほんの少し触って終わります。もうここまで来れば安心です。

4回目の来院

更に1週間後4回目です。「先生、階段も大丈夫になってきたよ!」「おぉいいですね!上り下りどっちも交互に足を使えますか?」「うん、大丈夫…でも正座がまだ痛いんだよね。」良くなってくると、どんどん欲が出てきます(笑)でもこれで良いのです。
この方の正座が出来ない原因はふくらはぎの硬さによるものです。初めから分かっていましたが膝の屈伸が出来るようにならないと腫れている部分に負担をかけてしまうので最後の詰めに持ち越したわけです。
その後3回の施術でふくらはぎの硬さをしっかり取り切り、今は正座をしながら大好きな編み物を楽しんでいるそうです。
良かったねぇ。

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