手技のかみだいら

施術日誌

お悩み 足が付けない程の股関節痛

足が付けない膝も上げられない程の股関節の痛み

数日前の作業中に右股関節を痛め、歩くどころか足を付く事も膝を上げる事も出来なくなった女性が来院しました。
これほど強く痛めたのなら、さぞ激しい使い方をしたのではと聞いてみると「高いところのものを取ろうとしただけ」といいます。
しかし、妙な事に立っている姿は痛んでいるはずの右足にやや重心を強くかけています。痛む足には体重を乗せたくないのが自然なのに…
何か他にもあるのでは?とこの時ピンと来ました。

観察から施術まで

痛んでいる部位を触診してみると右脚の付け根から内もも付近までが微かに熱を帯びている事が分かりました。(赤)


酷使した後に検出できるようなしこりのようなものは見当たりません。ということは伸ばし過ぎて腫れのでは?と仮説を立てて他の部位も触診していきます。

伸びてしまった筋肉があれば逆の仕事をしている筋肉(拮抗筋)に縮む力が働き続けた結果、慢性移行した事が考えられるので腫れている内側の逆、つまり外側の筋肉を触診してみると、思った通りにカチカチになっている。(青1)しかしすぐには手を出しません。
症状が重い時は痛まない方(左側)から施術するのが安全策なのです。

左脚を調べてみると内側から後ろにかけてガチガチに固まっていました。(青2)

「やけに左(痛まない方)が固いですね」と問いかけると、
「長い間左の坐骨神経痛があってビッコを引いていたんです」と伝えてくれました。

…なるほど、それで痛む方の右足に重心を乗せる癖が染みついていたのか…それなら尚の事左のコンディションを整えて左に重心をかけやすい身体を作って、痛んでいるところに負担を掛けないバランスを優先的に取る必要があると考え、左から施術開始します。

その後、右の痛まない外側を施術終えて立って頂きます。すると…
「あー!立っても痛くない!体重も乗せれます!」
「おぉ!良いですねー。少し歩いてみましょうか。」
歩行もどうにか出来ますが、まだ怖さは抜けていない様子です。

大きく右足を振り上げると足の付け根に痛みが残るようでしたが、
「まだ熱もあるし、少し時間をかけてやって行きましょう。」と伝え、その日は終了しました。

この方の痛みの歴史は左足を庇い続けた結果、右足が耐え切れなくなり崩壊寸前だったと思われます。
それなら最後のきっかけが些細な事でも強烈な痛みになるのは不思議ではありませんね。

2度目の来院

3日後、この方が来院しました。スタスタと入って来て「アレ?どっちの股関節が痛かったんだっけ…」と一瞬カルテを見直すほど回復していました。重心の位置もほぼ真ん中になっていて、前回の施術後よりも更に回復したようです。
やはり炎症性の痛みが強かったようです。
体内に腫れ物がある時は欲張っていっぺんに痛みを取りに行こうとすると後悔する事になります。
触れた時のボワーンとした熱がある時は焦りは禁物です。

この日は左右の脚と体全体のバランスも手入れして行こうと背骨を触診すると「脳の疲労があります」というサインを見付けました。
「ちょっと神経系が疲れてるようですけど、充分に眠れてますか?」と聞くと、寝つきも悪く夜中に目が覚める事も多いと言います。
何かストレスが続いてるようなので、睡眠の質を上げる施術を加えたついでに…首の力みもあるかもなぁ…と首を触ってみると、やはりありました頭痛の種が。
「頭痛あります?」と聞くと頻繁に頭も痛んでいた様子でそれらも施術して終わります。
脚は良好なので次回は1週間後です。

3度目の来院

1週間後3度目の来院です。
「先生、正座した後に膝が痛くって…」…ん?…一瞬、固まります。
「えーっと右の股関節は?」「痛くないです。」「全く?」「はい」「おー良かったですねー!んで、左の坐骨神経痛は?」「無いです」「頭痛は?」「来ない」「おー!良かったですねー!」…何だか展開が早くて頭が整理できません(笑)
「んで、何でしたっけ…あ、膝ね?」「はい。全部治ったら正座した後の膝が気になっちゃって。」「了解でーす」

僕は順調すぎる展開にルンルンだったのですが、この方の表情が何だか晴れやかではありません。
「あのー先生、治ったらアッチ、治ったらコッチって、痛みが移動する病気なんですかね?」と不安そうに言います。
「いやいや、そうじゃないですよ。人間の身体って一番治してほしい所に意識が集中するようになってるんですよ。そっちが治ったら次はこっちもお願いねーって順番が決まってるんです。これを繰り返して痛みが全部なくなったら体がシャキーンと綺麗になるんですよ」とお話して膝の施術に入ります。

膝の原因はふくらはぎ周辺の硬さと足首が主でした。
膝の起動も少しずれていたので簡単な体操やって頂いてから、施術をしきます。ついでに便通もせいせいしないようなので、そちらもお手入れ。脳疲労のサインは前回の半分以下なのでチョットだけやって終了です。
色々やってるうちに膝の痛みの変化を確認しませんでしたが、聞くまでもなく良くなっています。

この方のように治ったら次が…という現象は痛めて来た歴史を遡ってる事が多いのです。
右膝→左腰→右腰 という痛みが出てきた歴史があるなら 右腰→左腰→右膝 という流れで回復する事が多いのです。

どんどん回復したら肉体年齢10歳は若返るだろうなぁ。

次回も楽しみです。

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