手技のかみだいら

施術日誌

股関節と首の痛みは糖尿病の影響?

お悩み 左股間節、左首、糖尿

40代の男性が左股関節と首の左側が痛くなったと仰って来院しました。
この方はお身体の調子が悪くなると時々いらっしゃる方でレスラー体系、お仕事では体を酷使しているようです。

左股関節の痛みは歩いているだけでも痛むようで、前側の足の付け根付近が痛いそうです。
首の左側は顔を左に向けると痛むようで、反対に向くのは痛まないようです。

正面から見ると左の肩の位置が右よりも下がっています。

肩が下がっている側に首が向きにくい時は肩の位置が問題なのか首自体が問題なのかを見分ける簡単な方法があります。
歪みを簡易的に消して再テストするのです。

「今左に向いた左の首が痛いんですよね?」
「はい。左が痛みます。」
「では左手を挙げてもう一度左を向いてみて下さい。」
「…あれ?痛くない!」
「分かりました。ありがとうございます。」
とても素直で律儀な方なので、僕が不思議な事をするとキチンとリアクションを取ってくれます(^^)

これで肩の位置さえ揃えてしまえば首の痛みは無くなる事が分かりました。痛んでいる首は触る必要が無いようです。

次は股関節の痛みを考えます。
痛みの位置は左の鼠径部付近(足の付け根の前側)です。様子を見ていると強い筋肉痛のような訴え方をしています。

筋肉痛の事を皆さん思い出してみて下さい。
筋肉痛が起きている部分をストレッチしても痛まないけど力を入れると痛むのがイメージ出来ると思います。人間の筋肉は時々こういった痛みを出すのです。

そしてこの二つの痛みに関連性が無いかを考察していきます。
股関節の前側の筋肉と肩を下に引き下げる力が引き合って作られた2つの痛みだとしたら…と考えて行きます。

最も考えやすいのは左半身の前側、しかも股関節の痛みの場所が奥深い事からディープ・フロント・ライン呼ばれる筋肉のグループが縮まっていると考えます。

股関節の前側付近を通り、お腹から胸の奥、肩甲骨の前面にも広がっていますので、この筋肉の繋がりが固まれば股関節の前側の縮みによる痛みと、肩甲骨の下方への変位が説明が付くわけです。

上のイラストのような力が働いているわけですね。

更にこの方は問診の際に現在糖尿病だという事が分かっています。経験的にこのパターンで歪む時は心臓、胃、すい臓の冷えがあると感じているので念のために聞いてみました。
「最近血糖値はどうですか?」
「いや、実は最近病院に行ってなくて2か月間薬を飲んでないんです。」
「その分を食事制限で補えてますか?」
「あ、はい、ちょいちょい…と」

何だか歯切れが良くない回答です。まだ40代という事もあって今すぐにどうこうという事は無いでしょうが、糖尿病は合併症を引き起こしやすい病気です。この趣旨の事を少しだけお伝えして危機感を持って頂きました。

もうここまで分かっていればいつも通りの施術で身体の動きは完全に整いました。

しかし、糖尿病の施術はしません。
インシュリンの分泌を補助する施術方法はあるのですが、本人に治す気のないものは治らないからです。

頑張ってるけどなかなかヘモグロビンA1cが下がらないんです。といった方でないと徒労に終わるのを知っているからです。

まずは痩せる事、そこから更に食事の管理をしてそれでも下がらないという時にだけそういった施術をする事に決めています。

欲と戦うのは辛いですが、素直なこの方なら、きっと頑張ってくれると信じてます。

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