手技のかみだいら

施術日誌

腫れても冷やさず完全回復

お悩み 足の甲の痛み

突然足の甲が腫れた

50代の女性がお友達のご紹介でいらっしゃいました。
既に入ってくる時の歩き方が痛々しいです。

詳しく聞いてみると「捻った訳でも、ぶつけた訳でもないのに左足の甲が突然腫れあがって痛くなったんです。あんまり腫れてるから病院で診てもらったんですけど骨には異常がないから湿布で様子を見て下さいと言われ返されましたが、一向に良くなっていかないので友達に紹介されて来てみました。」と仰います。

「巻き爪で化膿していたり、出血するような怪我や虫刺されもありませんか?」「はい。ありません。」
「なるほど。では僕の仕事という事ですね。」

この方はお仕事で一日に2万歩以上歩くそうなので足への負担が蓄積したのでしょう。

こういった場合に考えられることは2つあります。一つは腫れている所の延長線上の筋肉の使い過ぎによる筋肉と骨の境目に傷が付いてしまう炎症。
そしてもう一つは僕が勝手に名前を付けたのですが「ゆっくり捻挫」です。
このゆっくり捻挫は慢性的に筋肉や靭帯を引き伸ばす事を繰り返していると起こると考えています。
足首周辺ではこの現象が多く見られるのです。

足の状態を詳しくみていると「足がよくつってたんですよね。」と仰いました。これは大きなヒントになります。
場所は足の裏だそうです。

足の裏がつっていたという事は足の裏の筋肉を使い過ぎていた可能性が高く、その状況で反対側の足の甲が腫れてきたという事はゆっくり捻挫の可能性は高いと考えました。

そうであれば足の裏と連動して働く筋肉を柔らかくして休ませてあげれば足の甲の組織は引き締まりを取り戻し回復に向かうだろうという訳です。

施術

それでは触診して行きます。
足の甲はカッカと熱を放ちポンポンに膨れ上がっています。足の裏はというと、いたるところがゴリゴリに硬くなっていて想像以上に問題がありそうです。
中でも最も硬い組織の中心が丁度腫れている所の真裏に当たるので、引き伸ばされて炎症を起こしたことは間違いなさそうです。

関連した股関節の角度なども修正して歩いて頂くと「歩けます!足を付いても痛くないです!」と言って頂けたのでこれで一安心とこの時は思っていました。

…しかしその数日後「また腫れてきて痛み出しました」と連絡が来ました。

「分かりました。すぐに来てください。」と電話を切り、もう一度来院して頂いたところ、前回程ではないにしろ同じところが腫れていて足の裏の硬さも復活しつつあります。

何か見落としがあるに違いないと思い、スクワットのような膝の屈伸運動をして頂きヒントを探していくと僅かではありますが膝の中心が内側にずれ込んでいました。
膝が内側にずれ込むと足の土踏まずを地面に押し付けるように体重がかかってしまう事で足の裏のアーチが潰れ、外反母趾、内反小趾、モートン病などを引き起こしてしまいます。

この方の場合モートン病のような状態だったという事です。
構造的な解説は省略させて頂きますが、よく見ないと分からないくらいの膝の歪みでも1日2万歩という過酷な日常の中ではトラブルになってしまうようです。

アーチの問題だと分かってしまえば、あとは簡単です。

施術後の痛みはほとんどなくなり、その場で腫れが引いて行きました。信じられない方もいらっしゃるでしょうが、捻挫でも膝の炎症でも身体の環境が改善されるとその場で関節の炎症が引いて行き、冷やしたわけでもないのに腫れ上がった膨らみがどんどんしぼんで小さくなるのです。

「お仕事での使い方が過酷なようなので、念のために2週間に1度メンテナンスをして行きましょう」とお伝えしてこの日はお帰り頂きました。

その後3回目、4回目と回を重ねるごとにぶり返す事も無くなり、5回目には2万ぽ歩いても問題を起こす事は無くなったようです。

これでお仕事にも専念できますね。 良かった良かった。

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